リハビリテーション科の教育関連
新人リハビリスタッフ教育プログラム
当科では、プリセプター制度を導入しています。安心して学びやすい環境・体制作りを考慮し、取り組んでいます。
新人スタッフ1人につき1人のプリセプターが担当となり指導にあたります。そして、周りのスタッフが随時サポートに入り、新人教育責任者と管理者が教育体制を統括します。また、教育に関わる全スタッフが定期的に集まり、新人スタッフの教育の進行度合や心身面の状態などの情報を共有・話し合いを行い、新人リハビリスタッフそれぞれに合わせた教育を適宜見直しながら行っています。このように、新人教育を含めたスタッフ教育が重要と考え、全員が教育に関わる体制を行っています。
新人リハビリスタッフ教育プログラム スケジュールの一部紹介(2022年度)
4月から5月の予定
・プリセプターのリハビリ見学やリハビリの部分介入
・カンファレンスの参加や整形外科手術の見学
・リハビリテーション科内研修(基礎研修、評価技術研修、介助技術研修)
1.基礎研修
研修内容:社会人としてのマナーやルールについて、リハビリテーション科内での必要事項、リハビリを行う上で知っておいてほしいことについて学びます。
研修項目
リハビリテーション科の概要 | 備品管理 | リハビリテーション科各種書類 |
電話応対のマナー | 記録のとり方 | 診療報酬 |
感染対策 | 医療安全 | 電子カルテの操作 |
2.評価技術研修
研修内容:理学療法・作業療法を実施していく上で必要な評価技術について、項目ごとに講義と実技を行います。
研修項目
情報収集 | リスク管理 | 意識レベル |
脳神経検査 | 高次脳機能検査 | 心理・精神 |
姿勢反射検査 | 反射 | 筋緊張検査 |
感覚 | 疼痛検査 | 形態計測 |
関節可動域測定 | 筋力検査 | アライメント |
バランス検査 | 簡易上肢機能検査(STEF) | 片麻痺機能検査 |
呼吸・循環機能検査 | 運動失調検査 | 動作観察 |
ADL評価 |
3.介助技術研修
研修内容:理学療法士・作業療法士として必要な介助技術を身につける為に講義と実技を行います。
研修項目:寝返り、起き上がり、起立、移乗など
※評価技術研修や介助技術研修はこれらの研修だけで十分というわけではありません。その後は必要に応じて自己学習や実技練習を行っていきます。
6月から7月の予定
・プリセプターと共に介入する患者さんを3~6名担当する。また新人リハビリスタッフの状況に応じてプリセプター介入なしで1~2名の患者さんを担当します。
・整形外科カンファレンスの発表や報告。
・他職種の方と情報交換・連携などを行えるようにします。
・プリセプターと共に初回の症例発表の準備を行います。
8月の予定
・プリセプターが一部介入する患者さんを5~6名担当し、新人リハビリスタッフの状況に応じてプリセプター介入なしで担当する患者さんを2~3名とし合計で8名程の患者さんを担当します。
・1回目の症例発表を行います(8月予定:発表7分、質疑応答13分 その後フィードバック)
9月以降の予定
・新人リハビリスタッフの教育の進行度合いや心身面に応じて、教育体制や担当する患者さんの人数などの検討を適宜行い、リハビリスタッフとしての自立を目指します。
・退院前カンファレンスへの参加や患者様の報告を行い、自宅や施設の環境に応じたADL能力の伝達や福祉用具の提案を行えるようにします。
・住宅環境の調整や適切な福祉用具の提案が行えるようにします。
・年明け以降に2回目の症例発表を実施します。
など
当院の新人リハビリスタッフ教育の一部を紹介させて頂きました。臨床に出てから不安になることがありますが、当科ではそんな不安を一人で抱え込まないように相談しやすい環境・体制作りをリハビリスタッフ全員で心掛けています。新人リハビリスタッフ教育を通して、既存のリハビリスタッフも一緒に成長できればと思っています。
もし、ご縁があり当院リハビリテーション科の一員になられた際は、大変なことや悩むこともあるとは思いますが、それを共に乗り越え、学びや喜びや楽しさも共有でき、日々成長していけるリハビリテーション科体制作りへのご協力をお願い致します。